各県内各単組よりご参集の代議員の皆様、おはようございます。本年度も会長の大役を仰せつかりました吉田修です。よろしくお願いします。
本日はご多用のところ、島根県議会前議員 佐々木雄三様、島根県議会議員 高見康裕様、島根県教育委員会教育長 新田英夫様、出雲市教育委員会教育長 槇野信幸様、全日教連委員長 郡司隆文様、山口県教連事務局長 小坂朝之様のご臨席を賜り、第59回島教協総会が開催できましたこと、心よりお礼申しあげます。ありがとうございました。
5月1日から元号が令和になりました。一つの時代が終わり、新しい時代が始まりました。
教育の世界でも、目前に迫った新指導要領の全面実施に向けて、あらゆることが進んでいくと思われますし、教職員の働き方改革についても、各所から改革プランが出されました。このプランが絵に描いたもちにならないようにするためにはどうすべきか。何ができるのか。何からどう手を付けていくのか。課題はたくさんありますが、待ったなしの状態です。各学校で取り組むこと、教職員一人一人が取り組むこと、それぞれにあると思います。そして、島教協ができること、すべきこともあります。会員の皆さんの声をしっかりと受け止めながら、島教協だからできることを一つ一つ着実にやっていきたいと考えています。
「愚公山を移す」という言葉があります。これは生活の妨げとなっていた山をほかへ動かそうと、土を運びはじめた愚公という名の老人の故事による言葉で、怠らずに努力すれば、必ず達成できるものである、という意味です。私たち島教協も愚公のような実直さで、会員のみなさんのご協力を賜りながら、地道な努力を積み重ね、教育という山を1㎜ずつでも動かしていきたいと考えています。
目の前には子どもがいます。全国を行脚して、しつけの三原則や腰骨を立てる立腰教育を広めた教育哲学者森信三氏をご存じでしょうか。森信三氏は、「われわれ教師たるものの第一のつとめは、何としてもわが教え子たちの幸福をねがい、そのために、多少なりとも役立つような事を、わが教え子のために尽くしてやることだという一点においては、いかなる人も根本的には異論はないといってよいでしょう。」とおっしゃいました。これは日々真摯な教育実践を展開している島教協会員の姿に重なります。ただし、今年1月に出された中教審答申の“はじめに”には、「子供のためであればどんな長時間勤務も良しとする、という働き方は、教師という職の崇高な使命感から生まれるものであるが、その中で教師が疲弊していくのであれば、それは子供のためにはならない。」と記されています。あれもこれもではなく、子どもたちの成長につながるより良い物だけを見極める必要があります。変革を迎える今、大変忙しい日々ではありますが、高い理想と熱い情熱、強い志をもって、また明日からの教育実践に取り組んでいきましょう。
今年度は教育シンポジウムが島根で開催されます。10年ぶりです。この「教育シンポジウム島根」で全国から集まる同士と共に、今日的な課題について議論を深めたいと考えています。
会員の皆様の一層のご支援とご協力をお願い申しあげ、開会の挨拶といたします。ありがとうございました。
島根県教職員協議会 会長 吉田 修
(令和元年5月25日 島教協定期総会あいさつより)